アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

アセンションを目指したある1外科勤務医のヘミシンク体験とスピリチュアルおよびその周辺事項への探求をご紹介します

拉致監禁とストックホルム症候群

 昨日のニュース、英国のロンドン南部で、30歳、57歳、69歳の3 人の女性30年間にわたって監禁され、奴隷のような扱いを受けていたことが判明、容疑者二人が逮捕されたとの報道がありました。罪の無い人の人権を蹂躙して、人生の貴重な時間を拘束と言う形で無駄に過ごさせる悪質な犯罪です。
 この手の事件について、今から15年ほど前に相次いで小説、映画が作製され、ストックホルム症候群について認知後が上がった時期がありました。今日のテーマは拉致監禁に伴うある種の心理状態でありますが、くれぐれも拉致監禁は犯罪であり、これを擁護、容認するものではありません。そして、ストックホルム症候群について間違った認識から被害者に対する曲解した報道がなされるならば、それは認めることはできないと思います。


◇ 英国における監禁30年の報道

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監禁ニュース

 【ロンドン=佐藤昌宏】ロンドン警視庁は21日、ロンドン南部で67歳の男女2人を監禁の疑いなどで逮捕し、両容疑者の自宅から女性3人を救出したと発表した。
 同警視庁などによると、救出されたのは、30歳、57歳、69歳の女性。それぞれ、英国籍、アイルランド国籍、マレーシア国籍だという。このうちの2人は少なくとも30年間にわたって容疑者宅に監禁され、奴隷のような扱いを受けていたとみられる。警察は、男女と3人の間に血縁関係はないとみている。

 強制的な結婚に関するテレビのドキュメンタリー番組を見た1人が10月、女性保護の民間活動団体(NGO)に連絡して発覚した。女性たちは重度の精神的外傷を負っているという。

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◇ 本邦における誘拐拉致監禁事件

 これまで時々ありました、弱者を傷つける痛ましさ、誘拐拉致監禁事件ですが、北朝鮮のものは別とすると、主犯が男性のことがが多いため、性的虐待目的もあって、少女が被害者となる場合が多いようです。鮮明な記憶として残っているものに、2000年1月、新潟県柏崎市の加害者宅にて発見・保護された女性が、9年2ヶ月もの長期間の監禁をされていた新潟少女監禁事件がありました。当時、北朝鮮の仕業では?と考えられていたのが、なんと母子二人暮らしの家屋2階に母親が知ることはなく監禁されていたものでした。

松田美智子
松田美智子 氏

 奇しくも、この事件発覚と極めて近接した時期、しかしながらこの事件の直前の1999年に、「完全なる飼育」と言う女子高生を監禁する内容の映画が放映されましたが、これは松田美智子氏による、実際の事件に基づいて書かれた小説「女子高校生誘拐飼育事件」(1997年)を原作とするものでありました。この小説のモデルとなった事件は1965年、東京都豊島区にて発生した約6ヶ月間の女子高生の監禁事件でありました。松田美智子氏はその後、新潟県柏崎市の事件についても2009年、小説を発表されております。

少女監禁事件

 さて、1965年、東京都豊島区で起こった事件の詳細を述べているページがありましたので、要約いたします。


◇ 女子高生誘拐飼育事件(女子高生籠の鳥事件)

 昭和40(1965)年11月25日の夜、横殴りの雨が降る豊島区西武池袋線椎名町駅より帰宅途中の女子高生(Sさん、17歳)が、角園九十九受刑者(以下、角園)に誘拐されました。
角園は、Sさんを自宅アパートに連れ帰り、手錠をかけ目と口には絆創膏を貼り、果物ナイフをかざして服を脱ぐように脅したとされます。
 以下、警察の発表した調書に基づいて、角園は裸にしたSさんを強姦しようしますが、処女であったSさんが痛がる為に断念、代わりにナイフを首筋にあてて口淫(フェラチオ)を強要したとのこと、、、。この日より、角園はSさんに対して性交を何度か試みるも未遂に終わり、愛撫や口淫で欲望を満たしたとされます。
 誘拐翌日、Sさんは角園に手錠を外すように懇願し、角園はその言葉に従って手錠を外しました。これ以降は性交を強要する以外、角園はSさんに対して丁寧に接するようになり、誘拐4日目にはSさんを残して大丸デパートへ出かけ、下着やワンピース、オーバー等の衣類、ミシンや布地なども買ってきてSさんに与えています。

 誘拐・監禁・同棲生活が始まり

 犯行から10日、12月4日に2人は伊東の温泉旅館へ旅行に出かけました。アパートに風呂が無い為、誘拐以来入浴できていなかったSさんの機嫌を取るためだったとのことです。旅館では、角園は偽名の日野雅史を名乗り、Sさんには「みどり」と名乗らせ、角園を「パパ」と呼ばせて親子を演じていました。「みどり」とは、離婚して離れている角園の実娘と同名前とのことでした。
 旅行後、2人の関係は変化を見せました。1月半ばになって、初めて角園は強引にではなくSさんとの性交を果たしたとされます。この頃、角園はアパートの大家に玄関前に風呂場を建てる交渉をしたが断られ、Sさんに行水させる目的で大型のポリバケツを購入しています。2人はたびたび一緒に外出していて、角園の腕にしがみついて楽しそうに歩くSさんの姿を目撃していた管理人は、Sさんを角園の新しい恋人と思っていました。また角園は家具を買い揃えていき、「日野みどり」名義で口座を作り、Sさんの為に貯金までしていたとのこと、、、。

 温泉旅行から恋人のような関係へ
 被害者名義の預金口座も


 事件発生から半年あまりたった昭和41(1966)年5月18日、同棲生活は唐突に終わりました。偶然、Sさんを目撃した人の通報によって発覚、角園は警察に逮捕されました。角園逮捕時の本人とSさんの供述は以下の通りであり、Sさんの供述は角園にあらかじめ口裏を合わせるように言い含めされていた為とされている。

 逮捕後、犯人と口裏を合わせる被害者の供述

【逮捕時の角園の供述】
 Sさんが「家に帰りたくない」と言うので、住所をたずねると自分のアパートの近くだった。「一緒に帰ろう」と言って連れ帰り、そのまま一緒に暮らし始めた。死に別れた妻(本当は離婚している)にSさんがよく似ていたので結婚するつもりだった。行方不明で騒いでいるのは知っていたが、帰すつもりはなかった。

【角園逮捕時のSさんの供述】
 あの日、池袋駅で友達と別れたあと、なんとなく国電に乗って渋谷に来た。ハチ公の銅像前で雨に濡れて立っていると、「どうしたの?」と傘をさしかけたおじさんがいた。

 それにしても、事件当時、マスコミや世間は「逃げる機会はあったのになぜSさんは逃げなかったのか?」と疑問を抱き、その奇妙な同棲生活や保護時のSさんの言動に好奇の目が向けられたそうです。保護後のSさんは、角園に日常的に「逃げたら殺す」と脅され、「脅されてはじめは逃げられなかった」と証言し、口淫を強要されてからは「もうこんな体では逃げて帰ってもしかたがない」と思うようになっていったとも言っている反面、「伊東に行ってからは帰る事をあきらめた」、「あきらめはあったけれど、生活しているうちには楽しいこともあった」、「服、下着、靴などを買ってもらった時には嬉しかった」、「(角園が自分のために)貯金しているのも知っていた」、などと複雑な心理状況を上申書で述べています。そうした心理状態があったゆえに、角園は力ずくでなく肉体関係を持つことになったと説明されています。

 脅され、逃げられないと諦め、楽しいことも

 保護された後、両親と再会したSさんは「お父さん歳とったね、おかあさん、やせたのね。心配をかけてごめんなさい」と詫び、家に帰ってからは泣き崩れたとのこと、、、。裁判で角園は懲役6年の刑が確定しています。

 この事件(1965年)の8年後に、次に供覧します、ストックホルム症候群の由来となった事件が起こり(1973年発生)、 後々になってから監禁におけるSさんの心理状況が理解されるようになり、映画「完全なる飼育」の中でも、被害者が犯人をかばって「逃げて!」と叫ぶシーンが印象的でありました。


◇ ストックホルム症候群

 ストックホルム症候群(Stockholm syndrome)は、精神医学用語の一つで、犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くことを言います。
 1973年8月に発生したストックホルムでの銀行強盗人質立てこもり事件において、人質解放後の捜査で、犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けるなど、人質が犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明しました。また、解放後も人質が犯人をかばい警察に非協力的な証言を行ったほか、1人の人質が犯人に愛の告白をし結婚する事態になったとのことです。この問題を調査したOchberg博士はFBIとイギリス警察に、以下のような報告をしています。

「人は、突然に事件に巻き込まれて、人質となる。そして、死ぬかもしれないと覚悟する。犯人の許可が無ければ、飲食も、トイレも、会話もできない状態になる。犯人から食べ物をもらったり、トイレに行く許可をもらったりする。犯人の小さな親切に対して、感謝の念が生じる。犯人に対して、好意的な印象を持つようになる。犯人も、人質に対する見方を変える。」

 ストックホルムでの銀行強盗人質立てこもり事件
 犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けた
 人質が犯人に協力して警察に敵対する行動
 1人の人質が犯人に愛の告白をし結婚する事態
 

 犯人と人質が閉鎖空間で長時間非日常的体験を共有したことにより高いレベルで共感し、犯人達の心情や事件を起こさざるを得ない理由を聞くとそれに同情したりして、人質が犯人に信頼や愛情を感じるようになるとされます。また「警察が突入すれば人質は全員殺害する」となれば、人質は警察が突入すると身の危険が生じるので突入を望まず、ゆえに人質を保護する側にある警察を敵視する心理に陥ることもあり得ます。このような恐怖で支配された状況において、犯人に対して反抗や嫌悪で対応するより、協力・信頼・好意で対応する方が、生存確率が高くなるため発生する心理的反応が原因と説明されております。また、同症候群は恐怖と生存本能に基づく自己欺瞞的心理操作(Self Mind Control)であるため、通常は、人質解放後、犯人に対する好意は憎悪へと変化するとも言われております。

 恐怖と生存本能による自己心理操作(Self Mind Control)

 こうした心理状態について、極めて説得力のある発言として、Kampuschという保護人が、次のように述べております。

「被害者に、ストックホルム症候群という病名を付けることには反対する。これは病気ではなく、特殊な状況に陥った時の合理的な判断に由来する状態である。自分を誘拐した犯人の主張に、自分を適合させるのは、むしろ自然である。共感やコミュニケーションを行って、犯罪行為に正当性を見い出そうとするのは、病気ではなく、生き残るための戦略である」。

 特殊な状況に陥った時の合理的な判断に由来

 「完全なる飼育」が放映された頃、「誘拐犯と被害者の奇妙な愛情」などと面白可笑しく報道されたのが想い出されます。監禁はまぎれも無い犯罪であり、冒頭に申しました通り、被害者に対する曲解した報道は認めることはできないと思う次第です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131122-00000160-yom-int
http://ja.wikipedia.org/wiki/新潟少女監禁事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/松田美智子_(作家)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ストックホルム症候群
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7:

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

2014.01.15 16:19 履歴書バイブル #- URL[EDIT] 返信
8:Re: タイトルなし

ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

2014.01.19 23:38 FC2USER854001YLT #- URL[EDIT] 返信
10:Re: タイトルなし

ありがとうございます

2014.02.06 09:16 FC2USER854001YLT #- URL[EDIT] 返信

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