アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

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イチロー選手「ローズ超え」日米通算4257安打 〜 日米野球の優劣について 〜 01


 米大リーグ、マイアミ・マーリンズのイチロー外野手が2016年6月15日(日本時間16日)の敵地パドレス戦で日米通算4257安打(日本プロ野球 1278本、米大リーグ 2979安打)を記録し、ピート・ローズ選手の米大リーグ歴代最多、4256安打を超えました。今さらこの題材を取り上げるのに記録達成から2週間の時間を要しました。話題となっている「日米通算」の記録に賛否両論があって、これに対する私見をまとめておりました。まずは、記録達成の映像、YouTubeのリンクを貼り付け、試合後のインタビューでのコメントを全文でご紹介いたします。

 フジテレビ とくダネ!「速報、イチロー歴代最多安打新記録達成4257本 20160615 対パドレス戦」YouTube

イチロー世界記録j達成の写真


◇ イチロー選手 日米4257安打 会見全文 と 年度別成績

 試合後に行われた会見におけるインタビューとそれに対する返答を全文でご紹介し、昨年終了時点までの年度別成績を供覧いたします。

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イチローインタビュー写真

― あめでとうございます。

「ありがとうございます。」

― 4257安打を積み重ねた率直な感想から。

「ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないんですけど、それでもチームメートだったり、記録の時はいつもそうですけどファンの方だったりと、ああいう反応をしてもらえるとすっごくうれしかったですし、そこですね、それがなかったら、何にも大したことないです。」

― 場内の拍手については?

「う〜ん、僕としては日米合わせた数字ということで、どうしたってケチが付くことは分かっているし、ここに目標を設定していなかったので、あまりやらないでと思っていたんですけど(笑)、でもそれは止められないですから、無視するのも失礼ですし。1本目のファイブフィートの内野安打ではなかなかそれは出来なかったというか。まぁタイですしね。抜いたわけではなかったので。あそこでは絶対出来なかったし。でも、ダグアウトからチームメートが喜んでくれてる姿が見えたので、軽く返したということだったんですけど、さすがに2本目はしないことが僕の矜持だというところが少しありましたけど、それでもああされると、という感じですね。」

― チームメートはベンチの中で並んで立って拍手していた。その時の気持ちは?

「(メジャー)16年目なんですけど、アメリカに来て、途中チームメート、同じ仲間であってもしんどかったことはたくさんあったんですね。で、去年このチームに来て、1年一緒にやって、今年メンバーが少し変わったんですけど、チームメートとしては最高のチームメートとハッキリ言える、まぁ“子”たちですよね、もう、年齢差から言えば。本当に感謝してます、彼らには。」

― クラブハウスではこれまで節目の記録で色々とやってもらっていたが、今日はそういうのはあったのか?

「今日はこれ(会見)やるために時間がなかったので、ないですよ。本当はこんなこともしたくないんですけど(笑)、お願いされてしまったので。」

― 日本ではここ数日、社会現象というほどの注目が集まり、号外も出た。

「そうなんですか。別の号外の話も聞きましたけどね。」(場内爆笑)

― 日本のファンが自分たちの喜び、誇りになると国中が喜んでいる。こちらでプレーヤーとしてそういうことを与えられたということについては?

「それは嬉しいんですけど、難しいところですねぇ、合わせた記録というところが。だから、いつかアメリカで、ピート・ローズの記録を抜く選手が出てきてほしいし、それはジーターみたいな人格者であることが理想ですし、もっと言えば、日本だけでピート・ローズの記録を抜くことがおそらく一番難しい記録だと思うので、これを誰かにやってほしい。とてつもなく難しいことですけど、それを見てみたいですよねぇ。だから、日米合わせた記録とはいえ、生きている間に見られて、ちょっとうらやましいですね、ピート・ローズのことは。僕も見てみたいです。」

― 常々、50歳まで現役したいということもおっしゃっていますが、あと1000いくつというのをアメリカで、というのは?

「僕は子供の頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はあるので、例えば小学生の頃に毎日野球を練習して、近所の人から『あいつプロ野球選手にでもなるのか』っていつも笑われてた。だけど、悔しい思いもしましたけど、でもプロ野球選手になった。何年かやって、日本で首位打者も獲って、アメリカに行く時も『首位打者になってみたい』。そんな時も笑われた。でも、それも2回達成したりとか、常に人に笑われてきた悔しい歴史が僕の中にはあるので、これからもそれをクリアしていきたいという思いはもちろんあります。」

― 9回1死三塁でスタントンが三ゴロ。5打席目は回ってこないかなと言う中で、我々は引きの強さと感じたが、ご自身では?

「それは言うまでもないでしょ。それは僕が持っていないはずがないですから。あそこでダブルプレーはないと信じてました。」

― 節目の前で足踏みがすごく少ない。すっと通り抜けてきた。そういうことをくぐり抜けて、通り抜けてきた経験として言えることは?

「何故そうなるかということですか? まぁ言っても3打席、足踏みしてますからね。今日で言うなら(笑)。2打席目に決めていたら別だけど。すっとはいってない印象ですよね。僕の中ではね。さっとやりたかったですよね。でも、なかなかそううまいこといかないですよ。」

― みんなうまいこといっていると思っている。

「そこの感覚のズレはありますかね。人と。やっている本人とはやっぱり違いますよ。これをさっとやっている感覚だったら、ここにいないんじゃないですか。あと、ロドニー嬉しかったですね。あいつ、なんかね、ラテン系の選手って無茶苦茶なんですけど、ああいうところあるから、なんかこう憎めないですよね。そう思った。なかなか出来ないですもんね。」

― 節目の記録に対する付き合い方というのは変わってきたか。

「200とこれは全然比較できないですからね。これはだから、今回のでいえば、ピート・ローズが喜んでくれてれば全然違うんですよ。それは全然違います。でもそうじゃないっていうふうに聞いているので。だから僕も興味がないっていうか、それを喜んでくれてたら、ハリー(張本さん)なんかは来てくれたじゃないですか、シアトルに。ハリーって、ハリーですけど。なんかかわいげがありますよね。」

― これからの先に来る数字というものへの付き合い方はどうか。

「これから先の数字ですか? 例えば3000とかってこと? でもそれに出会わないとわからないことですから。これ、終わってみてわかることですからね。」

― うまく付き合える感覚になってきたか。

「うまくかどうかはわからないですけど、今回のことで言ったら、僕は冷めてましたね。冷めてるところがあったので、なんか変な感じはありましたよね。テンションの違いがなんか。」

― 去年、タイ・カッブの記録を抜いた時は球場に表示がなかった。今回はあったが。

「僕、見てないんで。それでも。見てないです。反応だけ感じただけで。」

― 日米通算に対する捉え方が変わってきているように感じるが、米メディアからどういう反応として質問されたか。

「いやあ、その辺はわかんないです。僕。メディアの情報、一切見ないから。ただこうやって言ってたよって聞くじゃないですか、人からね。その程度しかないので、全然わかんないです。」

― 大リーグ記録ではないが、世界記録にしようという話も出ている。

「どうしてもらっても構わないですよ(笑)。好きなようにして下さいよ。全然構わないです。」

― 18歳でオリックスに入った時に、25年経ってこれだけヒットを積み重ねる姿というのを想像できたか。

「いやそれ、18の時に42までプレーしてることを想像してるやつは誰もいないと思いますけどね。」

― 去年は少し苦労したシーズンだったが、去年と今年の一番の違いはなにか。

「3年間ちょっとしんどかったですね。ヤンキースにいった2年目、3年目。マイアミの1年目、去年ですね。この3年間はちょっときつかったですね。もちろんリズムが明らかに変わった時期ではあったということが大きかったと思いますけど。まあでも長い時間やってたら3年くらいはちょっと許してっていう感じですかね。そういう時期あるよねっていう感じに今はなってるかな。なにがという。まあいろいろありますよ。いろいろというのは大変便利な言葉で、便利に使ってますけど、ありますよ、要因は。ただ同じユニホームを着た人に、足を引っ張られないということは大きいですね。ほんとにいい仲間だと思います。」

― 出場試合数を見るとローズよりも速いペースでの達成となった。

「だから、もっと速くできてるもんねえ。時間かかりすぎだよ。その3年間はちょっと足踏みだね。サッと抜きたいもんね。ちょっとなんかこう苦労した感じ出るじゃないですか。出ちゃったじゃないですか。それがあって今っていう考え方もありますけど、ちょっとサッとやりたかったね。」

― 苦労しているところを見せたくなかったと。

「それは見せたくないでしょ。そんなん見せたいやつ誰がいる? 上原と野村さん以外いる? そんなん、ねっ。だって、それは自分で雑草とかっていう人は見せたい人だから。」

― 苦労したというのは……。

「苦労してるように見えるというだけですよ。苦労したとは僕は言ってないですよ。」

― キャンプの時期から今年は変わるという感覚はあったのか。

「キャンプ中はなかったですね。キャンプ終わってからの、マイアミに戻ってヤンキースと試合しましたよね。あそこがポイントだったですね。その先は、ご容赦願います。願いたいと思います、かな。」

― ボンズ打撃コーチが安打を打つたびにボールを回収しているという話を聞いた。大記録を達成したことのあるボンズだからこその気遣いを感じるか。

「そうだと思いますよ。やっぱり気持ちがよく分かるっていうか、記録と向き合った人にしかわからないことだと思うので。ボンズの場合は全部外に行っちゃうから回収できないんだけど、僕の場合は内側だからね。しようと思えばできちゃうから。ただそういう気持ちがわかるのは、記録と向き合った人にしかわからないと思いますね。」

― そういう人がベンチにいるのは心強いか。

「でもボンズはそれくらいしか仕事がないっていうのがあるんで。」

― ローズは日米の記録を合わせるのはどうかと言っているが、それに抗うという気持ちは。

「全然ないですよ。わかる?」

― 違う違うと言い続ける気持ちはわかるか。

「そういう人がいた方が面白いしねえ。だって大統領選の予備選見てたって面白いじゃないですか。共和党の方がいらっしゃるから盛り上がってるわけで、そういうところありますよ。それが人間の心理みたいなものですから、それはいいんじゃないですか。じゃないと盛り上がらないしっていうところもあるでしょ。」

― 演じていると感じるか。

「それはわからないです。会ったことないしね。」

― ボンズはイチロー選手がローズと会ってる姿を見てみたいと言っていたが。

「昨日、なんかそんなこと言ってましたよね。ボンズに聞いたら、すごいいいやつだとかって言うから。でもそれは書かないであげて欲しいんだけど。演じてる可能性あるからね。営業妨害になっちゃうから。そうだとしたらね。」

― モリターやボンズなど、リスペクトしながら話せるというのは、自分がそのレベルに来たからという幸せに感じるところはあるか。

「そのレベルにいるって、僕は別に思ってないですけどね。ただ、数字を残せば人がそうなってくれるっていうだけのことですよ。ただ、いろんな数字を残した人、偉大な数字を残した人、たくさんいますけど、その人が偉大だとは限らないですよね。偉大な人間であるとは限らない、むしろ反対な方が多いケースがある、と僕は日米で思うし、だからモリターだったり、ジーターだったり、近いところで言えば、一緒にやった選手で言えば。すごいなと思いますよね。だからちょっと狂気に満ちたところがないと、そういうことができない世界だと思うので、そんな人格者であったらできないっていうことも言えると思うんですよね。その中でも特別な人たちはいるので、だから是非そういう人たちに、そういう種類の人たちにこの記録を抜いていって欲しいと思いますよね。」

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【イチロー選手 年度別打撃成績(昨年終了時点まで)】
イチロー年度別成績


◇ ピート・ローズ氏の唱える異論

 イチロー選手が記録を塗り替えたとされる米大リーグ歴代最多安打保持者、ピート・ローズ選手は1963年から1986年までの24年間、主としてシンシナティ・レッズで活躍したスイッチの中距離ヒッターでありました。選手生活最後の2年間は選手兼監督となりましたが1989年、監督として野球賭博に関わっていたことが発覚、永久追放処分を受けました。なお、1978年、レッズの一員として日米野球に来日しましたが、脳裏に浮かぶ素晴らしいプレーヤーでありました。

ピートローズ選手打撃

 さて、イチロー選手の記録達成直前の2016年6月14日、米全国紙“USA TODAY”は、このピート・ローズ氏の「みんなオレをヒット・クイーン(キングに続く2番目の意味)にさせたがっている」とのコメントを紹介しました。ローズ氏は「イチローの記録にとやかく言うつもりはない。彼は野球殿堂入りするような選手だ。だが、日本の記録とメジャーを足すことに意味はあるのか。高校時代の安打も加えることと同じだ。」とし、「イチロー選手が日本での安打も加えると言うのなら、私は自分のマイナー・リーグでの記録も加えたい。」ともコメントしております。日本球界とメジャーの格差には、「誰でも知っているところでは、(元近鉄の)タフィー・ローズはメジャーではさっぱりだったが、日本では55本塁打を放ったが、これが真実だ。」とも発言しております。

 日本プロ野球のレベルを高校時代やマイナー・リーグと同じように語るなど、興奮してなのか(?)、表現に語弊があるとは思いますが、日米の野球のレベルの違いから、「日米通算」の記録に異論を唱える気持ちは理解します。ここで、ピート・ローズ選手の年度別打撃成績も供覧いたします。

【ピート・ローズ選手 年度別打撃成績】
ピートローズ年度別成績

 イチロー選手とピート・ローズ選手の打撃成績を比較することは、あまりにも意味がありません。なぜなら、イチロー選手の選手生活が1992年からスタートして現在に至るのに対して、ピート・ローズ選手は1963年からで、ここには30年の開きがあります。その間に、日米ともに野球が変わって来ております。これは打者有利とも投手有利とも言える、両者の綱引きのような変化であります。
 例えば、投手の投球を向上させる機械はなかなかありませんが、バッティング・マシーンの発達はめざましく、球速160 km/hのマシーンは珍しくありません。同様に、ボールやバットなどの野球道具は、反発力や飛距離など、投手の投球を補うよりも打者の打撃が向上する方向に開発が進んでいます。
 投手がボールを人差し指と中指の間に挟んで投げるフォーク・ボールはピート・ローズ選手の時代にはとっくにありましたが、今や変化球の主流である、もっと浅く挟んだスプリット・フィンガー・ファースト(SFF)ボールは1970年代後半より頭角を現したシカゴ・カブスやセントルイス・カージナルスのストッパーで活躍した、ブルース・スーター投手が開発したとされます。ピート・ローズ選手がこのSFFボールを打つ局面は今よりも少なかったでしょう。ストライク・ゾーンやハーフ・スウィングなどのルールは、投手に有利な方向に変更されて来たと思いますが、ボークや二段モーションへの厳格化は投手に不利な材料です。

 よく、日米の「野球とベースボールの違い」、との言葉を耳にしますが、もっと大きな違いは、空間を超えた、世代の違い、時間の違いだと思います。ですから、イチロー選手の「日米通算」の記録に対してピート・ローズ氏が異論を唱えたとしても、少なくとも現時点の客観的評価は、イチロー選手とピート・ローズ選手の打撃成績の比較にはなりません。比較しようがない、と言うのが本当のところです。

 ここでは、もっと単純に日米の野球の格差、はっきり申し上げて優劣について検証いたします。「野球が違う」って煙に巻く必要はないと思いますし、その結果が、イチロー選手及びピート・ローズ選手の価値を貶めるものではありません。


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