アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

アセンションを目指したある1外科勤務医のスピリチュアルおよびその周辺事項への探求をご紹介します

ポリフェノール 糖質、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ6番目の栄養素として注目!


 ちょっと軽い話、久しぶりに、アンチエイジングに有用な健康食品として、ポリフェノールについて勉強しました。できれば、サプリメントなんかに頼らず、日常の食生活に取り入れる工夫をしたいものです。

◇ 概要

 ポリフェノール(Polyphenol)とは、ポリ(Poly)=「多数の」フェノールという意味で、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を持つ植物成分の総称です。

フェノール 分子構造
フェノールの構造式

 ほとんどの植物に含まれ、その数は5,000種以上に及び、光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを持つとされます。古くから香料や色素として食品、化粧品として利用されて来ました。


◇ 世界初のポリフェノール有効性を唱えた仮説と「フレンチ・パラドックス」

 ポリフェノールの有効性が言われ始めたのは実はつい最近のことのようです。1992年、フランスのボルドー大学の科学者、セルジュ・レヌー博士は、フランス、ベルギー、スイスに住む人々は、他の西欧諸国の人々よりもチーズやバターといった乳脂肪、肉類、フォアグラなどの動物性脂肪を大量に摂取しているにもかかわらず、心臓病の死亡率が低いとし、その原因として、同地域に住む成人が日常的に飲んでいる赤ワインに注目しました。「人間を始めとする動物が、赤ワインに豊富に含まれる『ポリフェノール』を摂取すると、動脈硬化や脳梗塞を防ぐ抗酸化作用、ホルモン促進作用が向上する」と発表しました。
 これに対して、「フランスで心筋梗塞が少ないのはワインの飲みすぎで肝硬変関連疾患で死ぬ人が多いので相対的に心疾患で死ぬ人が少ない」とか、「フランス人の心疾患罹患率がアメリカ人の1/3なのは、ワインの効果ではなく、単にフランス人の食事摂取量がアメリカ人より少ないからだ」と言った意見が飛び交いました。こうした議論は世界保険機構(WHO)などによって「フレンチ・パラドックス」と呼ばれ1990年代諸島、世界的に広まりました。
 1991年11月、上述のレヌー博士は米国CBSネットワークのニュース番組 “60 Minutes” に出演して自説を展開し、その後、米国だけでなく、白ワインの方が消費量が多かった日本でも、赤ワインブーム、健康ブームを巻き起こすきっかけとなりました。


◇ 生体内酸化ストレスとそれに対する防御作用

 健康食品としてのポリフェノールの有効性、アンチエイジング効果を考えるには、第一に「生体内酸化ストレス」とそれに対する防御作用を理解する必要があります。まずはこちらからご説明いたします。

1.生体内酸化ストレスと疾病

 生体内では、紫外線、放射線、大気汚染、喫煙、食品添加物などにより、活性酸素種やフリーラジカルなど、常に組織の酸化損傷を起こす物質が発生しております。これに対して、スーパーオキサイド・ディスムターゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、グルタチオン・リダクターゼ、カタラーゼ、酵素活性を支える微小ミネラルならびにビタミン群など、抗酸化物質も存在しており、両者のバランスの崩れから酸化に傾く状態が「酸化ストレス」と呼ばれます。酸化ストレス状態が続くと、細胞内ミトコンドリアDNA、細胞膜、核DNA、タンパクの変性損傷を誘発し、発がん、神経疾患、動脈硬化、白内障などの成人病や生活習慣病、老化を誘発するとされます。

酸化抗酸化のバランスと疾病の図
生体内における酸化と抗酸化のバランスの図
(SOD:superoxide dismutase、GSH-Px:glutathione peroxidase)

 活性酸素種、フリーラジカルや過酸化脂質と各種抗酸化物質とのバランスが大切であって、抗酸化物質が強いほど疾病の発生が減少し、老化が抑制されると考えられます。酸化ストレスに対する防御機構として抗酸化ストレス状態を亢進してこの防御システムをできるだけ有効に維持することが、各種疾病や老化予防の鍵となります。

2.生体内酸化ストレスに対する防御機構

 もう少し、抗酸化物質の生体内酸化ストレスに対する防御機構を具体的にご説明します。細胞内外の各種酸化ストレスによって活性酸素・フリーラジカルを発生して、標的分子として脂質・タンパク質・酵素・核酸への直接損傷に反応し、各細胞の生体膜また各臓器の組織を損傷させ生活習慣病・発がん・老化につながる過程で、各種生体内抗酸化物はそれぞれのステップにおいて予防的に機能すると言うものです。

抗酸化物質の抗酸化作用
生体内酸化ストレスに対する防御機構
(GST:glutathioneS-transferase、GSH:glutathione、NAC:N-acetyl cysteine)

 ステップ1の予防型としてスーパーオキサイド・ディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ぺルオキシダーゼ、グルタチオン・トランスフェラーゼ、金属安定化タンパクなどがあります。ステップ2ではビタミンC、E、CoQ10、αリポ酸、カロテノイド、グルタチオン、N-アセチルシステイン、そしてポリフェノールなどの抗酸化物質が挙げられます。ステップ3では修復再生型としてホスホリパーゼ、プロテアーゼ、DNA修復酵素、トランスフェラーゼ、必須脂肪酸などの修復・再生剤があります。


◇ ポリフェノールの有効性

1.抗酸化物質としてのポリフェノール

 若年者であれば、上記の生体内酸化ストレスに対する防御機構における、スーパーオキサイド・ディスムターゼなどのステップ1の物質活性が保たれておりますが、老化とともにこうした酵素活性が低下してくるために成人病や老化が起こると考えられております。これに対してステップ2の抗酸化物質である各種ビタミンなどは経口摂取で得られる物質であります。

【ステップ2抗酸化物質】
 ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(αトコフェノール)、CoQ10、カロテノイド、
 グルタチオン、N-アセチルシステイン、αリポ酸、ポリフェノール

 上述の如く、生体内酸化ストレスに対する防御機構の中で、ポリフェノールはステップ2の抗酸化物質となりますが、ビタミンCが生体の水溶性部分、ビタミンEは脂溶性部分にのみ効果があるのに対し、ポリフェノールは細胞間の水溶性部分、脂溶性部分、細胞膜においても抗酸化作用を発揮するとされます。

2.ポリフェノールの具体的な有効性

 上述の抗酸化作用に基づき、ポリフェノールには発がん、脳神経疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病)、動脈硬化、糖尿病、白内障、皮膚の変性(しわ、シミなど)、炎症性腸疾患、膠原病など、成人病、老化、変性などの病態を予防、改善するとされます。また、脂肪の吸収を抑制するため、内臓脂肪の減少、コレステロールの低下作用があります。機序は不明ながら、抗アレルギー作用もあると報告されております。

3.ポリフェノールの体内動態

 ポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、摂取後30分ほどで体内にて機能しますが、生体内に蓄積される物質ではないので、その抗酸化効果は30分ほとど消滅してしまうとされます。従って、有効性を得るためには慢性的、習慣的な摂取が必要とされます。


◇ 各種ポリフェノール:フラボノイド(flavonoid)

 フラボノイド(flavonoid)とは、天然に存在する有機化合物群で、クマル酸CoAとマロニルCoAが重合してできるカルコンから派生する植物二次代謝物の総称、ポリフェノールの代表例で、以下の物質が挙げられます。

1.カテキン(catechin)

 緑茶、ワイン、りんご、ブルーベリーに多く含まれます。血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗突然変異、抗癌、抗菌、抗う蝕、抗アレルギー作用など多様な生理活性が報告されております。

2.アントシアニン(anthocyanin)

 赤ブドウの実皮、ムラサキイモ、プルーン、アサイー、ラズベリー、ブルーベリー、マキベリー、紫キャベツ、ナス、黒ごま、赤たまねぎ、赤しそなどの赤紫色をした植物体に多く含まれている色素成分です。肝機能の向上を助け、疲れ目の解消などにも効果的とされます。

3.タンニン(tannin)

 番茶、中国茶、紅茶、赤ワイン、柿、バナナなどに含まれる渋味成分で、カテキン同様、殺菌効果があるとされます。

4.ルチン(rutin)

 ソバ、アスパラガス、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、クランベリーなどに含まれ、微小循環改善作用、抗炎症作用、血圧降下作用などが言われています。また、in vitroの実験で、ルチンは血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) を阻害することが示され、血管新生阻害剤として働くとされ、ある種のがんの増殖および転移を制御できる可能性を示しています。

そば 写真

5.イソフラボン(isoflavone)

 大豆や大豆加工商品(豆腐、納豆、味噌など)、葛、葛粉などに多く含まれます。豆腐のように加工度の高い食品でも含有するイソフラボン量は維持され、発酵食品である味噌ではイソフラボンのレベルが増加しているとされます。女性ホルモンであるエストロゲン様の活性を持つため、乳がんや子宮体がんなどのリスクを増すとも減らすとも考えられています。大豆イソフラボンは、更年期障害や2型糖尿病の改善に効果があるといわれ、また骨粗鬆症に対しては特定保健用食品として「骨の健康維持に役立つ」という表示が許可されたものがあります。

豆腐図


◇ 各種ポリフェノール:フェノール酸(phenol acid)

 フラボノイドが色素からできているのに対し、色素以外でできた成分をフェノール酸系と言います。

1.クロロゲン酸(chlorogenic acid)

 コーヒー豆中に 5〜10%近く含まれ、含有量はカフェイン(1〜2%) よりも多く、カフェインとともにコーヒー抽出液冷却時に認められる白濁の原因とされます。また、抽出時間が長すぎた時に顕われる雑味の原因とされます。ポリフェノールとしての抗酸化作用に加えて、クロロゲン酸にはマルトースをグルコースに分解する酵素であるα-グルコシダーゼの阻害活性、ラットで食後の血糖上昇の抑制作用が認められ、糖尿病発症のリスク低減が言われています。

2.エラグ酸(ellagic acid)

 ブラックベリー、ラズベリー、イチゴ、クランベリー、クルミ、ペカン、ザクロ、クコやその他の植物性食品を含む数多くの野菜や果物で見つかっている天然フェノール系の抗酸化物質です。エラグ酸が抗癌性と抗酸化性を有しているのではないかとの観点から、エラグ酸の摂取による健康上の効能の可能性について予備調査に拍車がかかっています。美白効果があり、化粧品に多用され、また、数多くのin vitroと小動物での実験で抗癌性と抗酸化性が証明されております。

3.リグナン(lignin)

 ゴマに多く含まれる。セサミンもこの一種であります。エストロゲン様作用を示したり抗酸化物質として働き、免疫力強化、抗酸化、コレステロールの抑制、高血圧の予防、脂肪酸代謝の改善、抗腫瘍、肝機能の改善の効果があります。

4.クルクミン(curcuman)

 カレーのスパイスであるウコン(ターメリック)に多く含まれます。エイコサノイド合成の阻害による抗炎症作用、抗酸化作用としてフリーラジカル捕捉能を持ち、脂質の過酸化や活性酸素種によるDNA傷害の予防、抗腫瘍効果などが言われています。また、2004年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) の研究チームはアルツハイマー病モデルマウスを用いて実験を行い、クルクミンが脳におけるβアミロイドの蓄積を抑制し、アミロイド斑を減少させることを証明、アルツハイマー病の予防効果も言われております。

ターメリック 写真


◇ ポリフェノールを豊富に含む食品

 各種ポリフェノールで含有する食品を紹介しましたが、逆に食品の側から、ソバ(ルチン)、豆類(イソフラボン)、ウコン(クルクミン)以外の、複数のポリフェノールを豊富に含む食品を挙げて解説します。

1.お茶

 お茶には、緑茶(不発酵茶)、ウーロン茶(半発酵茶)、紅茶(完全発酵茶)などの種類に分けられます。茶に含まれるポリフェノールは成分には苦みの成分であるタンニンとカテキンが特徴的です。無色のカテキンですが酸素や熱が加わると、重合してタンニンという褐色に変化します。それによって、お茶特有の苦く渋い物質に変わります。ツバキ科の茶である、カメリア・シネンシスという特有の成分を指します。
 茶カテキンは8種類ほどの物質の総称で、植物ではお茶しか生成しないといわれるエピガロカテキンガレート(EGCG)はこの中に部類され、非常に機能性が高いポリフェノールです。
 茶ポリフェノールに期待できる効果は、コレステロール吸収阻害と脂質酸化抑制作用からダイエット、抗腫瘍作用、虫歯予防の効果、抗アレルギー作用、消臭作用が挙げられます。近年では、高濃度茶カテキン飲料が売り出されコルステロールが気になる現代社会に住む人たちは気軽にダイエットができるとあり人気商品になりました。
 カテキンは胃癌のリスクを抑えますが、それは非喫煙者に限ったことで、喫煙者は効果が打ち消されるだけでなく、逆にリスクが上がったという報告もあります。

お茶 写真

2.赤ワイン

 赤ワインの中にポリフェノールは非常に多種多様あり、シンプルフェノール・アントシアニン・タンニン・フラボノイド・カテキンと多くのポリフェノールが揃っています。赤ワインは製造の過程で、原料となるブドウの、果肉はもちろん、果皮や茎の一部、それに一番ポリフェノールを多く含む種も一緒に発酵にかけます。その後、長期の間、木の樽で熟成させ、その長期熟成の間にポリフェノールが溶け出し、結合や反応を繰り返し別のポリフェノールが作りだされます。
 日常的に赤ワインを飲むことによって、脳内の過酸化物質を抑えることによって、痴呆症予防、血小板が固まるのを抑えることによって血流をよくし心臓病予防などがあります。しかし、同じ赤ワインでも製造工程によってポリフェノールの含有量は違ってきます。比較的多いのは、「フルボディー」のワインであり、味わいが濃く、重みのあるしっかりしたのが特徴です。

グラスの中で赤ワイン

3.カシス、ブルーベリー

 ブルーベリーはアントシアニンというポリフェノールが多く含まれており、カシスにはブルーベリーと同様なアントシアニンであるカシスポリフェノールが豊富です。
 アントシアニン含有量で言うと、カシスの方がブルーベリーなどより多く、それぞれ新鮮な果実100 g中、ブルーベリーは100 mgに対しカシスは約550 mgにもなります。他にも、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、カルシウムなどが、バランスよく含まれておりアントシアニンの効果を高めてくれます。
 肝機能改善や、眼精疲労や目のくまに効くといわれています。カシスポリフェノールを摂取後、目の下の血流を改善しくまの黒さが90分後に約5%改善されたとの研究結果があります。カシスポリフェノールは末梢の血流を良くしてくれるため、目の周りだけでなく顔全体の血流も向上、しかも肩こりや冷え性に効果が期待できます。

カシス 写真
カシス

ブルーベリー写真
ブルーベリー

4.カカオ、チョコレート、ココア

 カカオには赤ワインの3倍のポリフェノール、カカオ・ポリフェノール(エピカテキンなどのフラボノイド)が含まれていると言われています。カカオの原産地、南米ではカカオを薬として使っていたそうですが、カカオを使った主な食べ物はやはり、チョコレートです。チョコレートはミネラル類を豊富に含む栄養バランスのとれた食品で、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛も含まれます。心臓病がマグネシウム不足によって危険を増すことが知られていますが、カルシウムとマグネシウムのバランスがよいので、積極的に摂取したい食べ物です。
 カカオ・ポリフェノールは動脈の繊維にコレステロールがたまることによって発症する動脈硬化やDNAに突然変異の突然変異によって発症する癌予防も有名です。他には、抗酸化作用により血液中の悪玉コレステロール値を下げ活性酸素を除去することによってアンチエイジング、アレルギーやリウマチなどだけではなく、自律神経系の調節作用に優れ精神的な心理的ストレス、集中力や注意力や記憶力などの向上にも役立ちます。

 ココアの原料はカカオで、英語ではどちらもcocoaで同じ単語で表現されます。豆の状態か、パウダーの状態かで我々日本人は分けて使いわけます。豆からパウダー、いわゆる一般的に飲まれるココア飲料にするには、カカオ豆の外皮と胚芽を除去し、胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したものです。液体のものはココアリカーと呼ばれますが、冷却後、固体化したものがカカオマスになります。それに、牛乳をいれて飲むミルクココアや、お湯と砂糖を入れて飲むホットココアがあります。ちなみに、温かいココアはホット・チョコレートと呼ばれることからもわかるように、チョコレートも同じカカオを原料に作られます。ココアにも多くのフラボノイドを含んでおります。特にカテキンを含んでいるため循環器を健康にしてくれます。他に、急激な一酸化窒素循環の上昇、微小循環系の増大と循環器を介した血管拡張が期待できます。

ココア 写真

5.コーヒー

 お茶の水女子大大学院の近藤和雄教授が発表されるまで、コーヒーポリフェノールはさほど知られていませんでした。そのコーヒーの中にはクロロゲン酸が豊富に含まれており、100 mlあたり、コーヒーは200 mg、赤ワインが平均230 mg、緑茶は115 mg前後となっております。アルコールが入っていない分、赤ワインより、摂取しやすく気軽にとれるのも特徴です。
 コーヒーのポリフェノールはカフェインよりも多く、コーヒーの香りのもとだけでなく、苦味や褐色となっています。体内に摂取することによっての期待できる効果は抗酸化作用によって動脈硬化、がんや糖尿病の予防があります。その他にも、カフェインも含まれているので、眠気防止、利尿作用、中枢神経に作用し呼吸機能や運動機能を高めるなどの薬理作用が期待できます。
 さらに、体内に取り込むのは液体としてだけでなく、アロマと呼ばれるコーヒーの香りの成分を嗅覚から取り込むことによって、300種以上含まれている抗酸化作用のある物質がDNAの酸化や心臓の老化を妨げるといわれています。


◇「死ぬことを忘れた人々が住む」イカリア(Ikaria)島で飲まれる「ギリシャ式コーヒー」

 先日、ご紹介した世界の平均寿命の中でギリシャや81歳とまあまあの位置につけておりましたが、そのギリシャの、エーゲ海に浮かぶ離島、イカリア島と言う島は「死ぬことを忘れた人々が住む」とされる長寿の島だそうです。その秘密は、心臓に良い地中海料理のみならず、島民たちが毎日必ず飲む1杯のコーヒーにあるそうです。

イカリア島 地図

イカリア島 風景

1.イカリア島住民への研究結果

 アテネ大学(University of Athens)医学部の研究チームは、島に住む高齢者たちの心臓血管の健康状態と、彼らが毎日飲むギリシャ式コーヒーの関連を発表しました。ギリシャ式コーヒーは、ひいたコーヒー豆を水に入れ、沸騰させて作ります(後述)。
 方法:研究では、イカリア島で生まれ育った65歳以上の島民673人から男女それぞれ71人ずつを無作為に選び、医療機関で血圧を計測したり糖尿病やその他の病気について検査したほか、内皮機能についても調べました。内皮は血管が並ぶ細胞層で、喫煙などの生活習慣や加齢の影響を反映するそうです。また、調査対象者には健康状態や生活習慣、コーヒーの飲み方などに関するアンケートも実施、コーヒーについては、対象者が「飲む」と答えた全種類について影響を比較しています。
 結果:対象者の87%以上がギリシャ式コーヒーを毎日飲んでおり、内皮機能は主にギリシャコーヒーを飲む人のほうが、その他の種類のコーヒーを飲んでいる人たちより良好でした。高血圧の人だけを比較した場合にも、やはりギリシャ式コーヒーの摂取と内皮機能の改善に関連がみられました。
 考察:コーヒーの適度な摂取が冠動脈性心疾患のリスクを減らし、内皮の健康状態に幾つかの点で好影響を及ぼすことは、これまでの研究で知られています。今回の研究を主導したゲラシモス・シアソス(Gerasimos Siasos)博士は、「沸騰させて作るギリシャ式コーヒーには、ポリフェノールと抗酸化物質が多く含まれる一方、カフェインの量は比較的少ないため、他の種類のコーヒーよりも効果が高いようだ」と説明しています。

 その他の統計で、90歳まで生きる高齢者は欧州では人口のわずか0.1%だが、イカリア島では1%に達するそうです。その上、イカリア島の高齢者たちは健康を維持しながら長生きする傾向があるとのことです。

2.ギリシャ式コーヒーの作り方

 ギリシャ式のコーヒーはコーヒーの粉を鍋で煮ます。煮ることによってコーヒーの成分が液体に溶け出すためでしょうか、ギリシャ式コーヒーは普通のコーヒーよりもポリフェノールと抗酸化物質が豊富に含まれ、さらにカフェインの量が少ないのだそうです。マニュアルでは鍋で煮出すのですが、適当な鍋も火力も無い職場で作るのに一工夫してみました。

1)コーヒー豆の量
   写真の如く通常のコーヒー1杯(200 ml)で使用するのの半分くらいの豆でいいです。

豆の量 図

2)豆の挽き方
   エスプレッソコーヒーと同等に最も細かく挽いてレンジサーバーに入れました。

3)砂糖
   煮る前に砂糖を入れるそうです。

レンジサーバーへ入れて 図

4)電子レンジ
   水を200 ml入れて電子レンジは500Wで2分が適当でした。

電子レンジ 図

5)出来上がり
   表面に泡が出ていると丁度良いとのことです。

出来上がり 図1

出来上がり 図2

 ギリシャ式コーヒー、豆の量は半分でも、通常のコーヒーに比べて渋味が強く、また香り高いです。挽いた粉ごとコーヒーカップで飲むのですが、全部飲むのは抵抗があります。水から煮る方法ですとカフェインが抜けてしまうそうで、そう言えば、覚醒作用は不十分のように感じます。また、若干、便秘するとのことですが、その通りでした。


◇ おわりに

 実に多くのネットのページでポリフェノールが扱われておりますが、「健康に良い!」と断言しているページがあれば、実際には有意な研究結果は出ていないことを述べているページもあります。当然の如く、サプリメントを扱う会社やコーヒーの販売業者などは声高にポリフェノールの有効性を訴えており、こうしたものにはどうしてもビジネスが付いて回りますので、眉唾のようなところもございます。しかし、だからと言って否定するものではありません。なによりも、昔から良いものと思われて来た反面、研究の歴史はまだまだ浅いと言うのが正しいところです。いきなり高価なサプリメントなんかで始めるのではなく、ギリシャ式コーヒーもその一つですが、日常の食生活にポリフェノールを意識した食材を用意しても良いと思います。
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