アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

アセンションを目指したある1外科勤務医のヘミシンク体験とスピリチュアルおよびその周辺事項への探求をご紹介します

パレオ(パレオリシック Paleolithic,旧石器時代)ダイエット

 今年になって、1月に食事について2件の記事を載せました。1つは風水学の扱いで「マクロビオティックのスピリッツ」(1月2日)、今1つは時事/歴史などへの雑感のカテゴリーで「科学?/非科学? 今、密かなブーム『糖質制限食』の是非」(1月23日)と題したものでした。この「糖質制限食」に極めて類似したものに「パレオ・ダイエット」と呼ばれるものがあり、もしかしたら「糖質制限食」の方が後から発生したものかも知れません。西洋で話題、日本にも普及し始めたパレオ(パレオリシック Paleolithic、旧石器時代)ダイエット=旧石器食事法について勉強しました。


◇ パレオ・ダイエットの起源と概念

 1975年、胃腸病専門医のウォルター・L・ヴォーグトリンによる最初の論文が掲載され、これには“The stone age diet”と命名されておりました。次いで1985年、ボイド・エアトンとメルビン・コナーの共著の論文では“Paleolithic nutrition”という呼び名がついております。
 発端となった概念は、人間の遺伝学は農業が始まった頃からほとんど変わっていないという考え方に基づいています。従って、現代人も旧石器時代の先祖の食生活を遺伝的に受け継いでいるされ、健康であるための理想的な食事法は、我々の旧石器時代の先祖と同じような食事をとることであると言う考え方であります。
 このダイエット法の提案者は以下のように主張しています。「旧石器時代と同様の食生活を送っている人が現代にもいます。その人たちの多くは、豊かさから生じると言われる『現代病』にかかりません。」複数の研究結果から、パレオ・ダイエットは他の様々なダイエット法より良い結果を示していると指摘します。さらに、農業が始まる以前の食生活には、健康維持に良い栄養上の特徴が多くあるとも指摘しています。


◇ 旧石器時代から農耕の始まりまで

 旧石器時代とは、ホモ・ハビリス(Homo habilis)などヒト科ヒト属(原人)により石器(打製石器)の使用が始まった時代(230万年前)から農耕が始まり(8000年前)までの時代をさします。以下に、以前の記事「人類の起源とその進化・分岐の過程」(昨年12月9日)で作ったものに旧石器時代と農耕の始まりを追加した図を供覧します。

人類の起源と農耕の始まり図2

 人類の始まりを旧石器時代とするならば230万年であり、そのうち農耕が行われたのは最近の8000年間、0.35%となります。現生人類(新人、クロマニヨン人)からと考えても20万年前〜現在ですので、農耕が行われたのは8000/20万年として4.0%にすぎません。

 人類における農耕の歴史:
  旧石器時代から現在までの0.35%
  現生人類(新人、クロマニヨン人)から現在まででも4.0%


 人類の歴史において、今となっては当たり前の文化である農耕は、実はつい最近のごく短い期間であることが解ります。こうした人類の歴史の中の農耕文化を考えると、遺伝子に変化を来すことなく、農耕で得た米や麦を主食とする食生活が、動脈硬化や肥満、糖尿病と言った現代病の原因となっている可能性はあります。


◇ パレオ・ダイエットのセオリー

 旧石器時代の人類、つまり原始人は、当時の人糞の化石から、ハーブなど植物に関する知識が豊富であったことが知られており、現代人が想像する以上に健康的な食事が実現され、身体が強かったとも推測されております。そして、その旧石器時代が終わりを告げる約8000年前より、人間の遺伝子はほとんど変化していないことも判明しています。
 以上から、現代人が旧石器時代の食生活を行っても全く健康に支障がないだけでなく、 何万年にも渡って原始人が行っていた食生活、すなわち工場で生産されたフード、ケミカルや遺伝子組み換え技術を用いたフード とは無縁の自然界から手に入るものだけを食べることが、人間の身体に望ましいというのがパレオ・ダイエットのセオリーであります。
 そして、旧石器時代の食生活を実践することによって、その時代の人々のような健康で強く、皮下脂肪の少ない体型を手に入れることができる、というのがパレオ・ダイエットです。


◇ パレオ・ダイエットの概要

 米、パスタ、パン、とうもろこし等の炭水化物は現代人にとって欠かせない食物ですが、パレオ・ダイエットでは、ほんの少量の芋類を除いて、炭水化物はほとんど摂取しないのが基本です。これには、一般に健康食品とされている全粒粉や玄米等も含まれます。
 炭水化物はエネルギー源なので、その摂取を絶つと体力がもたないのでは?、と疑問を抱いてしまいますが、 農耕が栄える前の旧石器時代には、これらの食物はもちろん存在せず、1日のカロリーの55%を肉から摂取していました。それで持久力と体力が要求される狩猟をこなしていた訳ですから、現代人の生活は問題なくこなせると考えられています。
 炭水化物はカロリーが高いわりにビタミンやミネラル等の栄養分に乏しく、さらに身体を酸性に導く要素もあるため、 パレオ・ダイエットでは炭水化物は避けるべきものだと考えられています。このあたりは江部先生の糖質制限食と非常に似た考え方であります。

 農耕が始まる以前の食生活
 炭水化物をほとんど摂取しない


 パレオ・ダイエットでは穀類の摂取を控える理由に、穀類中のレクチンの一種、グルテンの弊害を言っています。グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、パンの骨組みとなり、またうどんのコシもグルテンによるものです。また、グルテンは食品以外でも増粘剤として利用されることも多いのです。たとえば整髪ジェルや歯磨き粉などにも使われていたりします。

穀物の禁止

 ラクトース(乳糖)を受け付けなくて、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして調子が悪くなる人がいるのと同様に、消化器系の問題で、グルテンに敏感に反応してしまう人もいます。このグルテン過敏症は増加しつつあるとされております。また、はっきり写真の如く小腸粘膜に異常を来すセリアック病と言う病気もあります。

セリアック病の小腸粘膜
セリアック病の小腸粘膜病変

 セリアック病は小麦、ライ麦、小麦などに含まれるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患で、小腸の粘膜が炎症を起こしてしまい、栄養の吸収に障害が起こります。これが、下痢、腹部膨満感、過敏性腸症候群、潰瘍、腸癌、貧血、疲労感、骨や関節の痛みなどの症状を引き起こし、死亡例も報告されております。
 日本でのセリアック病罹患率は約0.7%ぐらいだそうですが、アメリカとイギリスでは約1%、これは20世紀中盤と比べると4〜5倍に増加しているとのことです。
 パレオ・ダイエットではグルテンの毒性を重視して、穀物の摂取を禁止しております。これは糖質制限食には観られない考え方のようです。

 パレオ・ダイエットではグルテンの毒性を重視

 ちなみに、欧米諸国で盛んに製造販売されているグルテンフリー食品について、Academy of Nutrition and Dieteticsが発行した記事では、「消費者がグルテンフリー食品を購入する一番の理由はグルテンフリーの方が健康的であるとされているからですが…、セリアック病ではない人々に対しても健康促進効果があるという検証を証明する研究発表は全くありません。むしろ、グルテン自体に含まれる成分には健康に有益な栄養もあるため、人によってはグルテン回避が正当だと認められない場合がある。」と報告しています。

 芋類を除く炭水化物の他にも、パレオ・ダイエットでは禁止している食べ物が多数あります。以下、列挙します。

【パレオ・ダイエットで禁止される食物】
 ・豆類、砂糖や塩を含む調味料、乳製品、添加物や加工品
 ・アルコールやコーヒー
 ・カノーラ油、コーン油、大豆油

 以上から、豆類を除く野菜全般、肉、魚、果物、ナッツ、卵が主な食物になります。人工的に手の加えられていない自然に近いものが好ましく、肉はグラス・フェッド(コーンではなく、牧草を餌に育った牛等)のものが適切とされます。飲料は基本的に水とお茶のみとなります。基本的な味付けは香辛料等のハーブを使用し、オリーブ・オイル、ピーナッツ・オイルやアーモンド・オイル等のナッツ・オイル、 もしくはグレープシード・オイルを使用します。パレオ・ダイエットというと、火を通さないロー(生)・フードを想像する人も多いようですが、 原始時代はすでに火を使った食生活が行われていたため、パレオ・ダイエットでは火を使った調理が可能です。こうして見ますと糖質制限食よりもかなり厳しい食生活のように思えます。


◇ パレオ・ダイエットにおける生活習慣

 食事制限だけでなく、コアなパレオ・ダイエットを実践している人の間では、生活習慣も石器時代を真似ているとされます。例えば 「寝たい時に寝る」、「お腹が空いたら我慢せず食べる」 というのが代表的なものです。 健康体を作るにはストレスは大敵であるため、「身体に我慢を強いない」というのも基本ルールのひとつして挙げられています。一方、原始人が走って狩猟をしたり、重い石を持ち上げていたように、ランニングとウェイト・リフティングはパレオ・ダイエットに相応しいエクササイズとされます。


◇パレオ・ダイエットの実際

 一般的に健康食品だとされている全粒粉や玄米も摂取を控えなければいけないことや、調味料が使えないこと等、きちんと実践した場合、現代人のものとはかなり異なる食生活となります。
 果たして本当に体調を崩さずにダイエット効果が得られるのか?と疑問に感じる人も少なくないようですが、 パレオ・ダイエットを実践した多くの人々が、たった1週間で2-3 kgの減量を実現しています。ナイス・ボディーで知られる女優のミーガン・フォックスもパレオ・ダイエットを行っており、 彼女がその引き締まったスリムなボディーを維持できているのはその食生活のおかげとのことです。

ミーガン・フォックス写真

 体重を落とすだけでなく、長期に渡って続けることでアレルギーが治った、健康診断で出る数値が正常になった、毎日快眠できる、 集中力が増した等、多数の実践者からポジティブな結果が報告されています。
 問題点としては、食べてよいものが限られていることから、始めのうちは食材を購入するのに手こずる場合があるのと、 オーガニック食品やグラス・フェッドの肉等、なるべく自然に近い状態の食材を選ぶ必要があるので、費用もそれなりにかかってしまうことです。 さらに前述のように調味料も使用できないので、一般に公開されているパレオ・ダイエットのレシピなしでは、独自に調理を行うことは少し難しいのが実情です。
 しかしながら、体質の改善と皮下脂肪を短時間で落とすのには、抜群の効果があるといわれ、また女々しさが感じられないダイエット・コンセプトで肉や魚が沢山食べられるとあって、 他のダイエットに比べて男性の実践者が非常に多いことでも知られています。


◇ パレオ・ダイエットの通販、レシピのサイト

 当然のごとく、ネットの世界では通販やレシピを扱うページがたくさんございます。以下、少しだけご紹介します。

グルテンフリーの通販

パレオレシピのページ


◇ 社団法人パレオ協会

 これは日本にあるパレオ食を推進する協会です。崎谷 博征 医師が代表理事をされております。

パレオHPと崎谷博征医師
パレオ協会と崎谷 博征 医師


http://ja.wikipedia.org/wiki/旧石器食事法
http://www.cubeny.com/diet_paleo.htm
http://paleo.or.jp/paleo_activities/
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