アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

アセンションを目指したある1外科勤務医のスピリチュアルおよびその周辺事項への探求をご紹介します

科学?/非科学? 今、密かなブーム「糖質制限食」の是非

 正月にマクロビオティックについてご紹介いたしました。科学的根拠は薄いものの「身土不二」、「一物全体」、「陰陽調和」の三大理念を掲げる、ある意味、スピリチュアルな食生活法でありました。今回は、もう少し科学的根拠があって、しかし今、現在、賛否両論別れるところの「糖質制限食」を取り上げます。


◇ 糖質制限食の概念

 京都、高雄病院理事長の江部 康二(えべ こうじ)医師が考案した、ご飯やパン、麺類、ジャガイモなど炭水化物(糖質)の多い食品を食べない、食事療法であります。元々、東洋医学(漢方、鍼灸)を中心に、西洋医学、絶食療法、食養生、心理療法を取り入れ、1984年頃から食事療法に積極的に取り組んで来た江部氏が2001年に自らが糖尿病であることを知り、糖尿病の研究に積極的に取り組み、これまでの糖尿病治療と全く異なる、新しい糖尿病治療食「糖質制限食」を提案、高雄病院での糖尿病医療に「糖質制限食」を取り入れております。

高雄病院

江部康二先生

 血糖値を上昇させる唯一の栄養素が糖質である、そこに着目して、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐのが糖質制限食の考え方です。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージで、抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
 江部氏は、動脈硬化の原因は食後高血糖「グルコーススパイク」であるとして、糖質制限食は、糖尿病のみならず肥満・メタボリックシンドローム、動脈硬化などの現代病にベストの食事療法と推奨しています。

 動脈硬化の原因 = 食後高血糖「グルコーススパイク」

著書


◇ 糖質制限食の理論的根拠

1.血糖値を上昇させるのは糖質である。
2.糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3.糖質制限食を実践すれば血糖値は上昇せず糖尿病は改善する。

白米、焼き肉摂取後の血糖値
白米と焼き肉摂取後の血糖値の変動


◇ 糖質制限食十箇条

01.魚貝・肉・豆腐・チーズなど蛋白質や脂質が主成分の食品を中心に食べる
02.パン・白米・麺類、菓子・白砂糖など糖質の摂取は極力控える
03.主食としては玄米、全粒粉のパンなど未精製の穀物が好ましい
04.牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳、番茶、麦茶、ほうじ茶はOK
05.糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量に留める
06.オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす
07.マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK
08.蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質は含まれないのでOK
09.醸造酒(ビール、日本酒、など)は糖質が豊富であり控える
10.間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る
11.菓子類、ドライフルーツは不可
10.できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ


◇ スーパー糖質制限食のイヌイット

 古代から、生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を4000年以上続けてきた民族がいます。イヌイット (Inuit) は、カナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族のエスキモー系諸民族の1つで、人種的には日本人と同じモンゴロイドで、エスキモー最大の民族とされます。以下、「ドクター江部の糖尿病徒然日記」からの引用です。

イヌイット

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 ダイアベルグ博士の研究によると、同民族には心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。同時期、同じくらいの高脂肪食を食べていたデンマーク人においては、心筋梗塞や脳梗塞が多発していたので、その差が注目されました。このときダイアベルグ先生は、イヌイットの血液中にはデンマーク人に比べてはるかに多くのEPAが多く含まれていて、それがイヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由であると結論しました。そして極寒地に住む動物(アザラシ、北極イワナ、シロイルカなど)の脂肪には、EPAが沢山含まれているのです。これはこれで重要な発見であり、EPAはのちに薬(エパデールなど)となり、保険薬として日本でも販売されています。
 しかしながら、血中EPAが高値というだけで心筋梗塞や脳梗塞が予防できるなら、糖尿病の人も肥満の人も、何でも好き放題食べてエパデールさえ内服しておけば、それでOKということになりますが、さすがにそんな都合のいいことはありません。
 スーパー糖質制限食により、常に血流・代謝が常にスムースであり、血糖変動もほとんどなく酸化ストレスもないことの方が、大きな要因であったと思われます。

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◇ 糖質制限食に対する学会の反論

 2013年3月、日本糖尿病学会が 江部 康二 医師の糖質制限食に反論する見解を出しました。糖質を制限すること自体よりも、脂質の摂り過ぎなど、間違った食事摂取に及ぶ危険性が主張されております。

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糖質制限食に懸念

提唱者の医師「根拠ない」と反発

 日本糖尿病学会が先月、ご飯やパンなど炭水化物を控えて糖質を制限する「糖質制限食」について、「勧められない」とする提言を出した。糖尿病患者だけでなくダイエットしたい人にも人気のこの食事療法、何が問題なのか。(平沢裕子)

脂質は悪者?

 同学会が糖質制限食を勧められないとしたのは、糖質制限によってタンパク質と脂質の摂取量が増えることを問題としたためだ。提言では、タンパク質の取り過ぎが腎機能を悪化させたり、脂質の取り過ぎが動脈硬化を促進させて心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めたりする恐れがあると指摘している。
 これに対し、糖質制限食の提唱者である高雄病院(京都市右京区)の江部康二理事長は「脂質は長年悪者にされてきたが、最近は食事の脂質を減らした人とそうでない人で最終的な死亡率は変わらないという研究が、海外の一流医学誌に次々と発表されている。タンパク質の取り過ぎは腎障害のある患者には悪影響があり、私も糖質制限食は勧めていないが、腎障害がない場合に腎機能を悪化させるというエビデンス(科学的根拠)はない」と反論する。
 確かに提言でも腎障害がない場合、タンパク質の過剰摂取が腎症発症のリスクとなる「明確なエビデンスはない」としており、腎機能悪化の科学的根拠があるわけではない。

糖質50%未満も許容

 東京都内在住の男性会社員(45歳)は7年前、糖質制限ダイエットをした。開始前は身長175センチ、体重75キロ、BMI(体格指数=体重「キロ」を身長「メートル」の2乗で割った数値)は24.5で標準体重範囲内だったが、学生時代から約20キロ増えた体重が気になっていたという。普段の食事から主食を抜き、おかずはそれまでと同じ量を食べたところ、4日目ぐらいから体重が減り始め、8カ月後には62キロと13キロの減量に成功した。男性は「体重がどんどん減っていくのが楽しかった」と振り返るが、「やせたことでダイエットする意味がなくなった」とダイエットはやめ、現在はダイエット前と同じ体重に戻っている。
 この男性のように糖質制限食で減量効果を実感しても、ご飯はもちろん、ラーメン、パスタ、菓子が食べられない糖質制限食を1年以上続けるのは難しそうだ。提言では脱落者が多く、継続しないことも問題とした。しかし、「今はこんにゃくパスタやふすまパンなど低糖質でおいしい代替品がいろいろある。継続が難しいのはむしろカロリー計算が必要なカロリー制限食の方」と江部理事長。
 提言では「日本人の病態と嗜好(しこう)性にふさわしい食事療法について継続的な検討が必要」としている。同学会の門脇孝理事長は「提言は、食生活の好みによっては糖質50%未満も許容するという従来の食事療法の規制緩和の意味もあった。糖質を少なく取るときは、タンパク質が20%超なら腎機能が低下していないか注意し、脂質が25%超の場合は不飽和脂肪酸を多く取るように心掛けてほしい」と話している。

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◇ 糖質制限食の通販サイト

低糖工房


◇ 糖質制限食に関する私見

 ご存知の人は多いと思いますが、動物には血糖値を上げるホルモンは複数存在し、人間も同じです。グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモンなどですが、これらは、野生の動物が敵に襲われる、あるいは獲物を追う時など、咄嗟に血糖値を上げて行動することが求められる際に対応した機構だと考えられております。これに対して血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありません。野生動物の食生活ではそれほどダイナミックに血糖が上がらないからであろうと考えられます。何故かと言うと野生動物には農耕文化が無く、主食と言う概念もないからです。
 さて、人間には血糖コントロールのメカニズムとして野生動物と同等なものしか備わっておりません。しかし、約15000年前に農耕が始まり、現代に至っては古今東西、ごはんにしろ、麺類、パンなどが主食として食卓に並ぶのが当たり前となっております。しかしながら、以前の記事「人類の起源とその進化・分岐の過程」(昨年12月9日)でご紹介しましたアルディピテクス属(猿人)が人類の始まりだとして、約580万年前ですので、人類の歴史で、農耕が始まってから現在までは0.25%に過ぎず、糖質を主食として食べるようになったのも、人類としてはごくごく最近のことと言えます。そして、糖尿病や動脈硬化の罹患が始まるのも、この農耕、糖質の主食とほぼ同じ歴史である可能性はあると思います。
 そうして考えた時、塩分や脂質を摂り過ぎないように注意して、「糖質制限食」私は一つの食事療法として支持する立場であります。


http://diamond.jp/articles/-/14958
http://www.canadainternational.gc.ca/japan-japon/about-a_propos/faq-inuit.aspx?lang=jpn
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-87.html
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130412/bdy13041207180001-n1.htm
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