アセンションへの道程 〜ある外科医のスピリチュアル〜

アセンションを目指したある1外科勤務医のスピリチュアルおよびその周辺事項への探求をご紹介します

2017年10月20日 の記事一覧

上司がアスペルガー症候群だった場合


 某商社に勤めるサラリーマンの友人から相談を受けました。職場のトップ、支店長の言動、行動がおかしいとのこと、それも年々、悪化していると言います。話を聞けば聞くほど、以前も取り上げた「大人の発達障害」の中の「自閉症スペクトラム」に含まれる「アスペルガー症候群」ではないかと思いました。以前の文章と重複する部分も出てくると思いますが、もう一度、この病態を勉強して、職場の上司がそうだった場合の苦労と対処法を考えたいと思います。なお、当然のごとく、友人の居住、仕事内容についてはフィクションも交えて実際が特定されないように致します。まずはアスペルガー症候群の概要と症状を解説します。

鬼の上司


◇ アスペルガー症候群の概要

 アスペルガー症候群(Asperger Syndrome, AS)またはアスペルガー障害(Asperger disorder、AD)とは、知的障害を伴わない、興味・コミュニケーションについて特異性が認められる、ヒトの発達における障害と定義され、オーストリアの小児科医のハンス・アスペルガーにちなんでつけられました。大人の発達障害の中に分類されます。

1.大人の発達障害の分類

 大人の発達障害は以下に分類され、それぞれの発生頻度を%で示します。

 ○ 自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder, ASD)1.5〜2.6 %
  ・知的障害を伴う自閉症(Autism、カナータイプ)
  ・高機能自閉症(High functioning autism, HFA)
  ・アスペルガー症候群(Asperger syndrome, AS)
 ○ 注意欠如多動性障害(Attention deficit hyperactivity disorder, ADHD)5.0〜11.0 %
 ○ 学習障害(Learning disorder, LD)3.2〜4.5 %

2.自閉症スペクトラムの3病態とその位置付け

 自閉症スペクトラムには、上述の如く、知的障害を伴う(古典的)自閉症(Autism、カナータイプ)、高機能自閉症(high functioning autism, HFA)、アスペルガー症候群(Asperger syndrome, AS)に分類され、知的能力やコミュニケーション能力が低いレベルから高いレベルまで幅が広く、これらは、スペクトラム、連続した病態であると考えられております。

 ○ 知的障害を伴う(古典的)自閉症(カナータイプ):言語・知的発達に遅延あり
 ○ 高機能自閉症:乳幼児期に言語発達はあるが成長とともに問題は目立たなくなる
 ○ アスペルガー症候群:言語・知的発達に遅延はないが言葉の使い方が特徴的

自閉症スペクトラムの分類

3.アスペルガー症候群の三つ組の障害

 自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群の特徴として以下の「三つ組の障害」が提唱されております。この3つの障害が現れている場合に自閉症スペクトラムと診断されます。

 ○ 社会性の障害:他人とうまく交流できない
 ○ コミュニケーション障害:言葉や表現を用いた意思表示ができない
 ○ 想像力の障害:想像力が乏しく、独特のこだわりがあり


◇ アスペルガー症候群の社会性の障害

 アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムの最も特徴的な症状が社会性の障害であり、それはそのまま対人関係を作るのを難しくさせます。

1.他人に対する思いやりと配慮の欠如

 対人関係において、相手の気持ちを汲み取り、場の雰囲気にふさわしい言葉を投げかけることで良好な人間関係を作り、少なくとも不快感や敵対心を持たれないようにするのが人間として正常な対応で、こうした対人関係の能力を「社会性(ソーシャリティ)」と言います。自閉症スペクトラムの人にはその能力はありません。状況がどうであれ、相手が誰であろうと意に介さず、常に自己中心、自分の思う通り、自分にプラスになることしか考えません。これでは友達はできませんが、友達ができないことを寂しいとも思いません。また、他人の些細なミスに対して過剰に責め立てたりもします。これも、相手の事情を汲む度量がなく、悪いことは悪いこととして徹底的に攻撃してしまう姿勢があるからであります。

 自己中心
 自分のプラスしか考えない
 他人の非を激しく責める


2.マナーやルールを理解できない

 犯罪に繋がるような大きな法律は別としても、人間社会にはマナーや暗黙のルール、集団における小さな取り決めがあります。これを理解できない、守れないのが自閉症スペクトラムの人です。例えば女性の年齢や容姿についての言動や、学歴、家柄による差別発言など、人間社会では通用しないマナーからの逸脱があります。相手との距離感が掴めないこともあり、会話において、過度に大声をあげたり、逆に目線を合わせられないのも自閉症スペクトラムの人独特のマナーです。

 マナーを守れない

 ルールや取り決めについては、刑法や交通法規に及ぶ単純なものまで社会的なものを守る知識はありますが、明文化されていないルールを守ることはできません。予定表にすでに書かれた他人の予定を無視して自分の予定を押し通したり、小さな社会において皆で決めたルールを守れません。嘘をつくのは日常茶飯事ですし、人間として当たり前な立ち振る舞いができずに、信じられない行動をとります。集団の中にいても、自分の世界に浸り、周りに関心を示さない、周りに従わないとも言えます。

 暗黙のルールを守れない

3.他人に過剰に気を使うタイプも

 自閉症スペクトラムの人は自己本位やマイペースと思われがちですが、逆に周囲に対して必要以上に気を使うタイプもいて、これもある意味では自己本位でマイペースと言えます。若いときより、「人の気持ちが解らない」、「空気が読めない」と言われ続けた結果、常に人から嫌われるのではないか?、と言う怯えがあって、たった数分の遅刻など小さなミスに対して何度も謝罪したり、必要以上に丁寧な言葉を発したりします。


◇ アスペルガー症候群のコミュニケーション障害

 知能障害のないアスペルガー症候群ですので言語発達能力は普通でありますが、「他人と共感したり、意思疎通を図ることが困難なため、正常な対人関係を築きにくい」と言う点で、これをコミュニケーションの障害と言います。

1.独特な言葉の理解の仕方とイントネーション

 相手の気持ちを察することができないため、言葉と言葉のキャッチボールにはなりません。一方的な会話は独りよがりで、また抑揚がなく無表情、身振り手振りもないため不自然な話し方になります。

 独りよがりの会話

2.言外の意味が通じない

 社交辞令や皮肉など、言外の意味、微妙なニュアンスを理解できないため、他人の言葉をストレートに受け止める、間に受けることがしばしばで、それに伴うトラブル、空気読めないが後を絶えません。

 空気が読めない


◇ アスペルガー症候群の想像力の障害

 アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムの人には、想像力の障害があり、柔軟な発想を持つことができず、また特定のものに対する独特のこだわりがあるため、それに伴う諸症状が見られます。

1.想像力の障害

 自分の言動、行動がその後にどういうことを引き起こすのかが想像できません。そのため、自分としては良かれと思ってやったことでも間違った方向性へ行くことが多く、そのため周囲からは思いつきで行動していると思われがちです。

 思いつきの行動

2.限定反復的行動

 起床から食事、出勤、退社、就寝まで時間をきっちりと決めて、仕事も一定の手順に頑固なまでに拘ります。物事をシステム化することに強い安心感を抱き、それを日々実践しようとします。

3.急な変更に柔軟な対応ができない

 予定通りに行かないことが生ずると不安や恐怖に陥り、ひどく混乱した状態となります。これは、物事の流れを読んだり、この先どうなるかと言ったことを想像する能力に欠けるからで、予定外のことが起こると柔軟に対応することができないのです。

 パニックになりやすい

3.特定なものに対する拘り

 日常の限定反復的行動は、意識の持って行き先をも限定させます。狭い興味の対象に執着して、その興味を長い間持続します。そうすることで安心感を得ると考えられており、凝り固まった拘りが周囲に害を及ぼす場合はしばしばです。一方、独特の強い興味は並外れた集中力を生むこともあり、芸術や研究分野で大きな仕事をなすこともあります。

4.変化に富むものが苦手、変化のないものが好き

 想像力の障害がある自閉症スペクトラムの人は、変化をすごく嫌うため、人の気持ちの変化にも不安を覚えることが多く、ロボットなどの機械や心変わりしない動物を好む傾向にあります。


◇ アスペルガー症候群は周囲への迷惑が解らない

 自閉症スペクトラムは、他者の考えや心情をくみ取ることができない、社会性の障害、コミュニケーションの障害があるため、相手にどう思われているかと言うことに気が回りません。周囲への迷惑を「わからないからやってしまう」と言う状態です。


【アスペルガー症候群の特徴】

 以上をまとめたものとして、昭和大学付属烏山病院院長 加藤 進昌 医師の文章がありました。

 ○ 言外の意味、「あ・うん」の呼吸が読めない
 ○ 表情を変えず淡々と話し、時々、回りくどい説明をする
 ○ 仕事の優先順位がつけづらい
 ○ 予期せぬ出来事にパニックになる
 ○ 接客は苦手だがパソコン入力は得意
 ○ ざわざわした環境では音が聞き分けられない
 ○ 理論は得意だが手先を使う実技は苦手
 ○ 毎日会っている人でも服装が変わると混乱する
 ○ 冗談が通じず相手とは「直球勝負」


◇ 友人の上司に見える様々なアスペルガー

 さて、友人の上司、支店長についてです。予備知識として、この上司は東京六大学卒のエリートですが、離婚歴がありその原因は家庭内暴力であったと言われています。自分に対するエリート意識が強く、卒業大学や修得した資格、業績で人を判断し、形式的なこと、外見をすごく気にするタイプだと言います。

1.わがままで自分勝手な性格

 再婚して後妻がいるのですが、残業で仕事が夜に及ぶ際には必ず夜食や時には着替えのワイシャツを届けさせているとのことです。職場において、自分で決めた自分専用の駐車場があって、そこに誰かが駐車していると移動させます。自分が机に着く前にお茶が置かれていないとすまないタチで、そのお茶を出す時間は毎日朝の8:55と決められています。
 反面、職場での規則を守ることができません。例えば、取引先の人と面談する応接室は予約制となっていて、使用する時間と接客相手などを帳面に記載する決まりとなっているのですが、別の人の予定を見ずにアポを決めてしまうため、かち合うことがしばしばあります。予定を書いた帳面のこと何度も説明するのですがルールを守れません。

2.他人のミスが許せない

 ある時、人身事故で電車が遅れて遅刻して来た人がいました。そうした些細なミスに対して我慢がなりません。永遠と詰り(なじり)続けて、時には声を荒げて、1時間なり攻め続けました。別の機会には、会議の最中、経営の方針について異論を唱えた者がいて、他の者もうなづく説得力のあるものだったそうですが、支店長の方針とは違ったようです。激しく逆上して、異論を唱えた人間を土下座までさせたとのことです。

3.普通ではない会話・言動

 話し方がちょっと普通の人とは違っていて、相手の目を見て話せない、同じことを何度も言う、相手の表情から意図を読み取れない、とそんな会話が日常のようです。言動もおかしく、特に容姿や年齢、学歴に言及することがあります。「太っているね」、「歳いってるね」と女性に直接言うことがあり、「○○大学出身はダメだね」は口癖です。また、他人からの冗談が通じず、間に受けることもよくあるようです。

4.嘘

 自分に都合の悪いことは嘘で誤魔化します。でも、あまりにも稚拙な嘘のため、唖然とすることが多いようです。仕事の担当を決める際にある人の負担が激しく増えるかたちとなって、それではちょっと!、と周りから否定していたところ、「いやこれでお願いする」と言っていました。その負担増となった当人が担当表を見て「これはとても無理ですよ!」と言った途端、「これは(別の)○○くんが決めたのですよ」と責任転嫁したとのことです。日常、ちょっとした嘘は数えきれず、「言った言わない」の議論は後が絶たな買ったのですが、最近は、周囲の者はそうした議論に及ばないようにしているとのことです。

5.パニック

 (信頼していた)直属の部下が辞表を提出した際のこと、「どうしよう!?」と激しくパニック状態となり仕事が手につかない、興奮して意味不明な独り言を発していたと言います。期日が迫った仕事があるのに部下の穴埋めのことで頭がいっぱいだったようです。

6.思いつきの行動に周囲は唖然

 多くの決定は一時の思いつき、自分勝手なひらめきに基づくもので、多くの場合、それは一般社会に通用するものではありません。例えば、支店のホームページはその支店毎に任されているとのことですが、その支店長が着任する前から担当していた者がいて、随時更新していたそうです。支店長はある時、作り変えたいと思ったようで、ホームページを委託している業者に連絡して一切を消去してから、担当者に向かって「あれは古いから消して置いた。新しく作り直すように」と指示したそうです。担当者と周囲の人間は開いた口が塞がらなかったとのことです。


◇ あとがき

 アスペルガー症候群の人は知能低下を伴いませんので、普通以上の学歴であることが多く、そのため普通の人として接することが多いです。ところが、思わぬ言動や行動、その個性に驚かされることが少なくなく、いわゆる「変わり者」と思われがちです。今回、友人の上司にそれと思われる人物がいて、その友人ははっきり困っていて、転職も考えているようです。これに対して適切なアドバイスと言えるかどうか、、、

 アスペルガーをよく知ること

 ただ「変わり者」、「付き合いきれない」と考えるよりも、アスペルガーとはどんな障害なのか?、それを理解することが最初の出発点だと思います。ただ「嫌だ!」と言うだけではなく、心に余裕を持った姿勢でいることがいくらかは辛抱できる発端になるかも知れません。


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