史上初、5割のチームが首位でオールスターを迎えることになったプロ野球セントラルリーグ、その主役は、なんと言っても横浜DeNAベイスターズだと思います。このチームの、前半戦における浮き沈みの激しさをここで記録しておこうと思います。
◇ セ・リーグ順位表、個人成績から見えるもの まずは、セントラル・リーグ、現在における順位表と、得失点、本塁打、盗塁、打率、防御率などの成績を供覧いたします。青字で示したものはリーグ最高(良)、赤字はリーグ最低(悪)の成績です(D:横浜DeNA、巨:読売巨人、神:阪神、ヤ:東京ヤクルト、広:広島東洋、中:中日)。
【セントラル・リーグ順位表(7月15日現在)】 D 85試合
42勝42敗1分
勝率.500 勝差0.0
313得点337失点
66本40盗
打率.259 防御率3.57
巨 86試合
42勝43敗1分 勝率.494 勝差0.5 283得点275失点55本63盗
打率.237 防御率2.92 神 84試合41勝
42敗1分 勝率.494 勝差0.0
269得点355失点50本
30盗 打率.240
防御率3.85 ヤ 84試合40勝43敗1分 勝率.482 勝差1.0 307得点299失点57本
30盗 打率.249 防御率3.27
広 81試合
38勝40敗1分 勝率.475 勝差0.5 311得点
274失点60本45盗 打率.256 防御率3.06
中 86試合
38勝46敗2分
勝率.452 勝差2.0 280得点297失点
41本59盗 打率.257 防御率3.06
「ドングリの背比べ」などと言われていますが、球団によってチーム編成、戦力、戦い方が異なることが分かります。首位の横浜が得点(313)、本塁打(66)、打率(.259)ではトップ、失点(337)、防御率(3.57)はいずれも阪神に次いで下から2番目であるのに対し、2位の巨人は得点(283)、打率(.237)ともに下位、失点(275)、防御率(2.92)は上位です。つまり、横浜が打高投低に対し巨人は投高打低
となっております。直近まで横浜は巨人に6連勝しておりましたが、巨人の投手力を横浜の打力が上回った結果でありました。不思議なのは、阪神と広島で、阪神は打力(269得点、打率.240)、投手力(355失点、防御率3.85)ともに6球団では最悪であるのに先日までは首位にいて、現在も3位につけております。広島は、打力は横浜に次いで強力で(311得点、打率.256)、投手力は巨人の次に良好であるのに(274失点、防御率3.06)、序盤のスタート・ダッシュにつまずいたのが今の成績となっております。
続いて、打撃部門と投手部門の個人成績をいくつかご紹介します。打撃成績は打率順を20傑まで並べますが、安打、本塁打、打点、得点、三振、四球、盗塁、出塁率についてはリーグ・トップを青字で示します。投手成績は、防御率の順で規定投球回到達投手全員を列挙し、試合、完投、完封、勝敗、勝率、投球回、被安打、三振、四球、自責点について、リーグ・トップを青字で示します。最後にセーブ数の順を6位まで表にしました。
【打撃成績20傑(7月15日現在)】 筒 香(D)293打数099安打13本56打点48得点52三振37四球00盗塁
打率.338 出塁率.413 川 端(ヤ)
342打数112安打03本31打点42得点44三振21四球02盗塁 打率.327 出塁率.370
ル ナ(中)325打数088安打06本42打点40得点55三振40四球08盗塁 打率.318 出塁率.400
山 田(ヤ)330打数101安打
19本48打点
64得点66三振46四球15盗塁 打率.306 出塁率.399
梶 谷(D)298打数088安打06本37打点39得点82三振31四球
16盗塁 打率.295 出塁率.361
新 井(広)227打数067安打04本42打点36得点38三振31四球01盗塁 打率.295 出塁率.378
ロペス(D)313打数092安打15本39打点38得点46三振29四球01盗塁 打率.294 出塁率.355
平 田(中)277打数080安打06本26打点42得点57三振39四球08盗塁 打率.289 出塁率.379
田 中(広)317打数090安打05本28打点45得点60三振17四球05盗塁 打率.284 出塁率.325
バルデ(D)279打数079安打09本40打点27得点37三振28四球00盗塁 打率.283 出塁率.325
ゴメス(神)309打数087安打12本45打点26得点78三振40四球00盗塁 打率.282 出塁率.369
畠 山(ヤ)288打数080安打
19本58打点41得点78三振39四球00盗塁 打率.278 出塁率.369
マート(神)312打数086安打04本30打点27得点49三振18四球00盗塁 打率.276 出塁率.315
福 留(中)295打数081安打15本45打点34得点48三振36四球01盗塁 打率.275 出塁率.349
亀 井(巨)252打数069安打05本23打点27得点42三振25四球05盗塁 打率.274 出塁率.337
大 島(中)334打数091安打03本18打点46得点
40三振25四球12盗塁 打率.272 出塁率.332
石 川(D)311打数084安打01本18打点39得点73三振15四球06盗塁 打率.270 出塁率.316
坂 本(巨)279打数075安打07本40打点25得点41三振35四球05盗塁 打率.269 出塁率.347
鳥 谷(神)326打数087安打04本24打点30得点46三振46四球05盗塁 打率.267 出塁率.357
菊 地(広)322打数085安打06本19打点36得点48三振11四球10盗塁 打率.264 出塁率.290
【投手成績 規定投球回投手(7月15日現在)】 菅 野(巨)15試合4完投7勝6敗 勝率.538 109.1回095安打064三振20四球
20自責 防1.73 前 田(広)16試合4完投8勝5敗 勝率.615 119.1回102安打103三振21四球21自責 防2.04
大 野(中)
17試合5完投9勝4敗
勝率.692 131.0回100安打092三振31四球31自責 防2.13
ジョン(広)15試合1完投7勝4敗 勝率.636 103.0回
075安打068三振41四球26自責 防2.27
藤 波(神)16試合4完投7勝5敗 勝率.583 113.1回100安打
120三振40四球33自責 防2.62
黒 田(広)14試合1完投6勝4敗 勝率.600 094.0回090安打062三振
19四球28自責 防2.68
井 納(D)15試合2完投4勝6敗 勝率.400 102.0回120安打073三振31四球33自責 防2.91
高 木(巨)16試合1完投6勝6敗 勝率.500 108.0回088安打082三振30四球35自責 防2.92
ボレタ(巨)14試合0完投6勝4敗 勝率.600 090.1回086安打063三振24四球31自責 防3.09
岩 田(神)16試合2完投5勝4敗 勝率.556 102.2回105安打076三振35四球37自責 防3.24
久 保(D)15試合2完投7勝4敗 勝率.636 093.1回081安打072三振22四球34自責 防3.28
メッセ(神)16試合0完投5勝7敗 勝率.417 107.0回095安打111三振36四球40自責 防3.36
バルデ(中)15試合0完投2勝7敗 勝率.222 093.2回094安打068三振27四球36自責 防3.46
小 川(ヤ)16試合0完投4勝6敗 勝率.400 097.0回091安打068三振22四球38自責 防3.53
山 井(中)16試合0完投3勝8敗 勝率.273 097.2回091安打059三振33四球45自責 防3.69
能 見(神)15試合1完投6勝9敗 勝率.400 095.0回107安打077三振21四球41自責 防3.88
杉 内(巨)16試合0完投6勝5敗 勝率.545 090.0回082安打089三振34四球40自責 防4.00
山 口(D)15試合2完投3勝
3敗 勝率.500 085.1回095安打088三振32四球45自責 防4.75
【投手成績 救援投手 10セーブ以上(7月15日現在)】 呉 (神)
39試合2勝2敗
24S 43.1回42安打47三振14四球14自責 防2.91
山 崎(D)38試合2勝2敗23S 36.2回22安打
49三振06四球07自責 防1.72
バーネ(ヤ)33試合1勝
0敗21S 36.2回
20安打27三振12四球
02自責 防0.49 澤 村(巨)35試合4勝3敗20S 39.1回36安打34三振14四球07自責 防1.60
福 谷(中)38試合3勝3敗18S 35.2回33安打22三振16四球14自責 防3.53
中 崎(広)37試合0勝5敗12S 40.1回39安打35三振14四球17自責 防3.79
個人成績を見ても各チームの傾向が見て取れます。横浜の、打者が打率10傑内に4人が入っているのに対して、投手は防御率10傑内には井納ただ1人となっております。巨人の場合、打者で打撃順位に入って来るのは亀井の15位が最高ですが、投手は防御率10傑内に3人が入っております。阪神も巨人同様、打撃陣は不良で、ベストテンには1人も入っておらず、また投手陣は横浜と同じく防御率10傑内は藤波ただ1人となっております。広島の前田、ジョンソン、黒田と言った投手陣は素晴らしく、同チームの規定投球回投手はこの3人のみなのですが、いずれも10傑に名を連ねております。ただし、先発投手に難のある横浜と阪神ですが、抑えが横浜は山崎(23S、防御率1.72)、阪神は呉(24S)と盤石であるのに対し、広島は中崎が12Sで防御率3.79と成績を残せていないのが苦しいところのようです。
◇ 横浜DeNAベイスターズ 2015年 前半戦日程と勝敗 今年の横浜DeNAベイスターズ、前半戦日程と勝敗を列挙いたします。なお、記載する選手名は横浜の選手のみといたします。
03/27 ● 02-03 巨 負:久保(0-1)本:筒香(1)、関根(1)
03/28 ○ 10-02 巨 勝:山口(1-0)本:ロペス(1)、筒香(2)
03/29 ● 03-11 巨 負:三嶋(0-1)
03/30
03/31 ○ 07-06 広 勝:国吉(1-0)S:山崎(1)本:バルデ(1)
04/01 ○ 07-04 広 勝:モスコ(1-0)本:ロペス(2)
04/02 ○ 03-02 広 勝:林(1-0)
04/03 ● 00-08 ヤ 負:久保(0-2)
04/04 ● 02-06 ヤ 負:エレラ(0-1)本:筒香(3)
04/05 ○ 02-01 ヤ 勝:三嶋(1-1)S:山崎(2)本:バルデ(2)
04/06
04/07 ○ 08-03 神 勝:井納(1−0)本:ロペス(3)
04/08 ○ 06-01 神 勝:モスコ(2-0)
04/09 ○ 02-01 神 勝:高崎(1-0)S:山崎(3)
04/10 ● 02-06 中 負:エレラ(0-2)
04/11 ○ 08-06 中 勝:山口(2-0)S:山崎(4)本:ロペス(4,5)、黒羽根(1)
04/12 ● 02-03 中 負:林(1-1)本:ロペス(8)
04/13
04/14
04/15 ● 00-03 巨 負:モスコ(2-1)
04/16 ● 01-07 巨 負:高崎(1-1)本:バルデ(3)
04/17 ● 01-03 ヤ 負:井納(1−1)
04/18 ● 00-04 ヤ 負:山口(2-1)
04/19 ● 08-09 ヤ 負:小杉(0-1)本:荒波(1)、筒香(4)
04/20
04/21 ● 03-05 神 負:山崎(0-1)本:後藤(1)
04/22 ○ 07/04 神 勝:モスコ(3-1)S:山崎(5)本:筒香(5)、荒波(2)
04/23
04/24 ○ 08-01 中 勝:井納(2−1)本:筒香(6)
04/25 ○ 05-02 中 勝:山口(3−1)本:嶺井(1)
04/26 ○ 05-03 中 勝:国吉(2-0)S:山崎(6)
04/27
04/28 ○ 01-00 広 勝:久保(1−2)S:山崎(7)
04/29 ● 02-09 広 負:高橋(0-1)
04/30 ○ 01-00 広 勝:三嶋(2−1)S:山崎(8)本:梶谷(1)
05/01 ● 01-03 中 負:井納(2−2)
05/02 ○ 05-03 中 勝:エレラ(1-2)S:山崎(9)
05/03 ○ 04-03 中 勝:小杉(1-1)S:山崎(10)本:梶谷(2)
05/04 ○ 06-01 ヤ 勝:久保(2-2)本:筒香(7)、白崎(1)
05/05 ○ 05-04 ヤ 勝:三浦(1−0)S:山崎(11)本:高城(1)
05/06 ○ 04-02 ヤ 勝:三嶋(3−1)S:山崎(12)
05/07
05/08 ○ 06-05 巨 勝:エレラ(2-2)S:山崎(13)
05/09 ● 01-02 巨 負:小杉(1-2)
05/10 ○ 04-02 巨 勝:田中(1-0)S:山崎(14)
05/11
05/12
05/13 ○ 06-03 中 勝:久保(3−2)S:山崎(15)本:ロペス(7)、石川(1)
05/14 ○ 04-03 中 勝:三嶋(4-1)S:山崎(16)本:井出(1)
05/15 ○ 06-05 広 勝:長田(1-0)S:田中(1)本:バルデ(4)
05-16 ○ 02-01 広 勝:井納(3−2)本:バルデ(5)
05/17 ● 01-02 広 負:須田(0−1)
05/18
05/19 ● 01-02 ヤ 負:久保(3−3)
05/20 ○ 02-01 ヤ 勝:三浦(2-0)S:山崎(17)本:筒香(8,9)
05/21 ● 03-04 ヤ 負:小杉(1-3)本:筒香(10)
05/22 ○ 06-05 神 勝:山崎(1-1)本:筒香(11)
05/23 ● 02-04 神 負:阿部(0−1)
05/24 ○ 08-06 神 勝:須田(1-1)S:国吉(1)
05/25
05/26 ● 03-10 オ 負:久保(3−4)本:井出(2)
05/27 ○ 04-02 オ 勝:三浦(3−0)S:山崎(18)本:バルデ(6)、ロペス(8)
05/28 ● 03-04 オ 負:三嶋(4−2)
05/29 ● 03-04 ロ 負:大原(0−1)本:後藤(2)
05/30 ○ 05-01 ロ 勝:井納(4−2)
05/31 ● 05-09 ロ 負:須田(1−2)
06/01
06/02 ○ 06-05 ソ 勝:国吉(3−0)S:山崎(19)本:梶谷(3)、バルデ(7)、井出(3)
06/03 ● 02-04 ソ 負:国吉(3-1)本:井出(4)
06/04 ● 00-08 ソ 負:モスコ(3−2)
06/05 △ 03-03 西 本:ロペス(9)
06/06 ● 01-05 西 負:井納(4−3)本:ロペス(10)
06/07 ● 03-09 西 負:三嶋(4−3)本:ロペス(11)
06/08
06/09 ● 02-03 楽 負:山崎(1-2)本:白崎(2)
06/10 ● 04-05 楽 負:田中(1−1)本:荒波(3)
06/11 ● 05-07 楽 負:岡島(0−1)本:乙坂(1)
06/12 ● 07-08 日 負:国吉(3−2)本:ロペス(12)、梶谷(4)
06/13 ● 02-03 日 負:井納(4−4)
06/14 ● 01-03 日 負:砂田(0−1)
06/15
06/16
06/17
06/18
06/19 ● 01-03 広 負:井納(4−5)
06/20 ● 04-08 広 負:モスコ(3-3)本:ロペス(13)
06/21
06/22
06/23 ○ 07-02 巨 勝:久保(4−4)本:筒香(12)
06/24 ○ 03-01 巨 勝:田中(2-1)S:山崎(20)
06/25
06/26
06/27 ● 03-05 神 負:田中(2−2)
06/28 ● 02-06 神 負:三浦(3−1)
06/29
06/30 ○ 01-00 中 勝:久保(5−4)
07/01 ● 05-08 中 負:砂田(0−2)
07/02
07/03 ○ 04-03 神 勝:長田(2−0)本:後藤(3)
07/04 ● 06-07 神 負:山口(3−2)本:倉本(1)、後藤(4)
07/05 ● 01-08 神 負:三浦(3−2)
07/06
07/07 ○ 03-01 広 勝:久保(6−4)S:山崎(21)
07/08 ○ 07-01 広 勝:砂田(1−2)本:倉本(2)、桑原(1)
07/09
07/10 ● 02-04 ヤ 負:井納(4−6)本:バルデ(8)
07/11 ● 01-05 ヤ 負:山口(3−3)
07/12 ○ 03-00 ヤ 勝:三浦(4−2)S:山崎(22)本:ロペス(14)、バルデ(9)
07/13 ○ 07-04 巨 勝:久保(7−4)S:山崎(23)本:梶谷(5)、松本(1)
07/14 ○ 10-03 巨 勝:萬谷(1−0)本:筒香(13)、ロペス(15)、梶谷(6)
07/15 ○ 03-02 巨 勝:山崎(2−2)
◇横浜DeNAベイスターズ 2015年 前半戦の貯金と借金 日程と勝敗に基づいて、この前半戦の貯金と借金の変動を図にしてみました。併せて4つ以上の連勝、連敗を矢印で示しました。今年の横浜は、よく序盤の7連敗と交流戦中からの12連敗が指摘されておりますが、連勝の方も4連勝以上が5回あり、オールスター直前も4連勝で5割と首位に復帰してきたのでした。
◇ あとがき 大洋〜横浜に激しい連勝連敗があるのは元来のチームカラーと言えますが、とりわけ今年はそれが色濃く出ております。その原因に、元々力不足の先発投手陣に安定感がなく、また真のエース、柱となるローテーション投手がいないことが挙げられます。野手の方は、2軍から上げた選手をすぐにスタメンで使い、また前日に活躍した選手をベンチに控えさせてそのライバル選手を出場させるなど、中畑監督の選手起用が見事に当たっていて、怪我人が出てもその穴を上手に埋められる状況にあります。
後半戦の展望として、もう1枚、新入団の外国人左腕投手が加わりますし、もう1人くらいローテをうかがう新しい投手が出現する可能性はあると思います。8月9月に首位争いをした経験者は三浦大輔くらい、ほとんどの選手が未経験の次元へと突入する中、新星が登場してでも、チーム全体として大きな経験から、一段階、大人の集団になってもらえればと思います。